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2012年3月26日 (月)

会えたらいいね・・(586)  ブーケ

美術館の帰り 一坪にも足りない三角の小さなフラワーショップ

看板も無く 華やかさも無い

ブリキのバケツに 無造作に何種類かの花が挿し込んであるだけで 
センスの微塵も感じられない肥ったお姉さんが立っていた

黄色い花が 人目を引く

ミモザ、

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そう言えば・・・・、
いつだったかあちこちの花屋さんに 「ミモザの日」 と書かれた貼り紙が揺れていた。

ブーケや リースに仕立てられて 「へ~~、こんな日があったんだー」 と始めて知った。

庭に植える花も黄色は水仙があるくらいで 夏の日差しの下で咲く大輪のひまわりに魅力を感じるけれど 黄色の定番のレンギョウもエニシダも我が家にはない。

見事なミモザの枝に引き込まれるように ショップの前で立ち止まった。

「何か お探し?」 と言われて 「いえ・・・、べつに・・・、ちょっと探している花があって・・・」

心にも無い事を言ってしまってから 「そうだブーケにする花を探してたのに・・・」 思い出した。

よく見ると 知らない花ばかり。

「これなあに ?」    
    
        「フェチドウスって言って クリスマスローズの原種なんです」

「おいくら・・?」  

         「一本1500円です」

「あら、ずいぶんいいお値段ね、   こちらは?」

         「ノーブルです。     ロータスリリーとも・・・、これは高知産です」

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「そうか・・・、それで 蓮みたいな形なのね。あの木はなあに? 黒もじに似てるけど・・」

         「青もじ・・・、楊枝にするのは黒もじで これは茎が青い・・・・・」

「色を統一したいの・・、緑系と白で・・・。 ちょっと淋しいかな~~?
  アクセントに何か・・・、地味目のね! あのフリージヤみたいな変わった色は?」

         「ピンクパッション、フリージヤですけど。 山形産です」

「これは? こっちは・・・? 」    

いろいろ訊く風子を嫌がりもせず 丁寧に応じていただいているうちに 結局 ミモザの大きな枝も含めて大枚はたいてしまったけれど 楽しい時間だった。

「花の名前 忘れるので書いていただける?」 丁寧にメモした紙をポケットに入れ 抱えて帰る。

「水上げが悪かったら 言ってくださいね・・・!」  と後ろから追いかける声に 

「ありがと!  でも出先なので 家遠いのよー、来られないわー!」

言ってしまってから 余計な事だった・・・、また一言多かった・・・・苦笑した!

帰宅して 花瓶に頭でっかちに入れたが 何か物足りない。
近所のショップで有り触れた花を追加して イメージがすっかり狂ってしまった。

Photo
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取り合えず 準備は出来た。  あとは 描くだけ・・・・と思ったら力が抜けてしまって まだ腰が上がらないで居る。

こうして いつも花を枯らしてしまうという結果だけが残る。 

「花って 難しいんですよね・・、 、綺麗に描こうと思ってしまうし 枯れてしまうし・・・、ただ綺麗に描くだけではね・・・」

いつだったか耳にした先生の言葉が聞こえてくる。 

綺麗に描くこと自体 風子にとっては難題なのだから・・・・。

 

         

         

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2012年3月21日 (水)

会えたらいいね・・(585)  つみきのいえ (八王子市夢美術館)

来る日も来る日も 今日はどうやって一日を過ごそうかと 厭き厭きしてくる。

散歩に行こうにも 亀が甲羅を前後ろに背負ったようで息苦しく 3ヶ月の運動不足と間食で量りの目盛は容赦なく増え続け 無理して歩けば萎えた筋肉で支え切れなくなった膝と足首が痛む。

MOさんのブログを拝見していたら 加藤久仁生展の紹介があった。
「アカデミー賞短編アニメーション賞」の「つみきのいえ」の原画とアニメが見られるというではないか。

去年 現代美術館の「木を植える男」も 見たいと思っているうちに都合がつかず とうとう終わってしまった。
PCで動画は見られるけれど 本物とは訳が違うのだ。

25日までなので 甲羅がどうの足が痛いのなんて言っては居られない。

歩けなければタクシーという方法もあるし・・・と「八王子夢美術館」まで思い切って出かけた。
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祭日と言う事もあってか または地元にキャンパスがある多摩美出身という経歴の持ち主なので 学生らしい若者が 木で構成されたディスプレーの感触を撫でたりしながら 熱心に見入っていた。

原画や絵コンテは照明が暗く また細かいのでよく見えなかったが 「つみきのいえ」 は 大きな映像で見ることが出来た。

パイプを落としたことから 思い出が蘇って行く。
老いた妻を介護したベッド、 娘家族と並んで記念写真のソファー、娘が生まれた事、恋をして花嫁になった日、記憶は遡っていく。

ひとつひとつ煉瓦を積み重ねていく作業が 来し方を物語っている。

色鉛筆と水彩でやわらかなトーンで描かれた原画は アニメ部分はスタッフが描いても バックは加藤氏が拘って描いたと言う。

なぜか ほのぼのとして涙がこぼれてくる。

MOさんは4回観たそうだけれど 風子は3回にして この展のために製作したというアニメ「情景」へ・・・。
「つみきのいえ」の余韻があるためか 馴染めなかった。

それよりも 毎月掲載していたと言う見開き2ページの短編を「あとがき」として描きおろした絵本が気に入って買ってきた。
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今日一日は・・・、もしかしたらもう少しの間は 優しい風子になっていられるかもしれない。

            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

八王子の街は 風子がよく遊んだ半世紀前の面影は無く 唯一思い出のある「荒井呉服店」(ユーミンの生家なのだ)は夢美術館の手前にあった。
閑散としていて 手持ち無沙汰の店員さんが 通行人を眺めていた。
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風子は子供の頃隣町に住んでいたが 呉服屋さんは無く 母はここまで買いに来た。 
昔の着物はよれよれになった「荒井呉服店」の畳(たとう)紙につつまれ 物の無い時代に買ってもらった思い出が捨てられず たんすの奥に残っている。

そういえば 娘の七五三の着物も 母がお祝いにここで買ってくれ その子供もこれを着てお参りした。

残っているかどうか・・・? 疑問だけれど・・・・・。

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2012年3月17日 (土)

会えたらいいね・・(584)   今日も暇 

少しずつ春めいてきて 家の中にこもっている場合ではない・・・と 膨らみかけたハナミズキの蕾を見上げている。

固く閉ざしていた紅梅も 例年より沢山の蕾をつけ 春の雨の中で 今は真っ盛り。
カメラを持って庭へ出るが 体を曲げる事も自由にならないので思う角度でシャッターが切れず 何度撮りなおしても駄目なものは駄目で 諦めた。

足元にはクリスマスローズが俯いて咲き チャンス!と思ってみても 体が自由になる時でさえ這いつくばってやっと撮れる花なので それこそ切花にしなければ写すことは不可能で 上から眺めているばかり・・・。

毎日が退屈で 無性におしゃべりがしたくて誰かに電話をしてみても コールするばかりで折り返しの電話は鳴らない。

昨日は偶々用事で人に会うことになり 話は一通り終わったのに 余りにも風子が暇そうなので 「もう一杯珈琲が飲みたいので お時間大丈夫ですか・・?」 と逆に気を使わせることになり くだらない話に3時間もお付き合い戴いてしまった。

2年に一度手続きで会う方なのだが それまではただ腰が低く ぺこぺこするばかりで自主性が無く気に入らなかったけれど 2年の間に支店長と言う役席になっていて ずいぶん変わるものだと見直してしまった。

先日ルドンのブーケの絵を見てから 無性に花の絵が描きたくて 都心にでた時 思っている花を探すのだけれど見つからない。
今日も3軒フラワーショップを回ったのに 探している花は無かった。

描きたくなった気持ちが失せないうちに・・・と焦るのだけれど 大きなショップへ行かないと特殊なものは無いのかもしれない。

絵を描き始めて間もない頃 何処にでもあるようなトルコ桔梗を水彩で描いたものが 結構気に入っている。
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今 そのモチーフを目の前にしても感動もなく きっと描く気持ちすら起きないだろうと思うだけでなく もう描けない気がしてその頃の新鮮な気持ちが懐かしくなる。

マンネリになると言う事は こういうことなのかもしれない。

当時は 若かっただけではなく 描くということにしても気持ちが新鮮で 今は年齢も心もすっかり年を取ってしまって 生意気な理屈が先行してしまっている。

何処にでも売っているこんな花を もう一度描いてみようか・・・と 改めて思う。

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2012年3月10日 (土)

会えたらいいね・・(583) 雑木林 初散歩

「雑木林の入り口が伐採されて 家が建つみたい・・・」 そんな話が耳に入った。

今年に入って身動き取れず 雑木林のお散歩どころか やっと外出の許可がでたばかり
もう2ヶ月以上近づいていなかった。

初散歩に・・・と思ったら 今朝は冷たい雨。
お昼近くなってあがったので おそるおそる出かけてみる事にした。

「ほんとうだ・・・、どうして調整区域なのに開発OKになったんだろう。 直ぐ脇まで住宅地になっているから 許可を取り易かったのかもしれない」

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この辺の団地は50~60坪の敷地だけれど 新設される家は30坪くらいに切って小ぶりの家が10棟は建つ。

わが家と目と鼻の先の雑木林も造成されて28棟の建売になり 残すところ1,2棟だけ。
住人はほとんど若い家族で わが団地は家も住人も老朽化しているけれど そこだけは華やいでいる。

僻みかもしれないが この不景気な時期に いくら金利が低いと言ってもよくローンを組む事に躊躇しないものだと 度胸の良さに感心する。

確か この造成地には山桜の木があった筈。
寒い冬をじーっと耐え春の光を待っていただろうに せめて命が終わるまでの花道を待ってあげる事は出来なかったのだろうか。

こうして雑木林は年々減って行き ここへ越してきた頃の面影は無くなってしまっている。

此処まで来たのだから 少し歩いてみることに。
滑ったら病院へ逆戻り・・・・、とぬかる道に注意しながら歩き出したが 2ヶ月も歩かないでいたら 息も切れるし膝が笑って痛い。

この年になると 萎えた筋肉を取り戻すには だいぶ日数が掛かってしまうのだろうと 心細くなるが 「成るようにしか成らないのだ」 と言い聞かせる。

しっとりと濡れた落ち葉の色は  じーっと見つめていると隠れた色を秘めていて 紫や臙脂が浮かんでくるような気がして これで染めたらどんな布に仕上がるのだろうと 想像するだけでも楽しい。
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ふきのとうが覗き ヒメオドリコソウやホトケノザが雨に濡れて閉じてはいるけれど 春はもう近い。
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畑の 「風子より若いおじさん」が姿を見つけて 「久しぶりだねー、どうしてたの?」 と声をかけてくれた。
野菜を買いに来られなかった経緯を話したり おじさんの愚痴を聞いて いつもの風子に戻っていた。

帰り道は 足も少しずつ慣れて息も楽に出来るようになって 土と木々の力は何よりも元気の元 と改めて感謝。

家に戻ったら 好物の「苺」 が届いていて 感謝の連続で幸先いいな・・・とちょっと元気になった一日でした。
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2012年3月 5日 (月)

会えたらいいね・・(582) グラン・ブーケ (大きな花束)

前日から考えていた

「行こうかな・・・、行きたいな・・・・、今回行かないとしばらく見ることが出来ないかな・・・? 
 でも 無理かな~~? 混んでるかな~~?」

三菱一号館の 「ルドン展」 3月4日が最終日なのだ。

去年 ロートレック展を見に行った時のポスターに魅せられて 楽しみにしていた。
男爵の城館に飾られていたと言う 巨大で華やかなクレパス画の実物の前で見上げて立ってみたかった。

体力に自信が無く迷いはあったが 午後になってやはり行く事に決めた。

とにかく800グラムのコルセットがお供なのだから 「重い物は持たないように・・」と言われても それだけで負担はかかっている。
美術館は長時間立っているので そうでなくても疲れる。

最終日で混雑は予想していたが 三菱一号館の入り口は表からは入れず 裏に回って列に5分ほど並んだだけで すんなり入場できた。

中は ルドン独特の暗い絵で その絵に張り付いて カタツムリのように進む。
もともとこの絵の類は好きではないので 遠めにやり過ごし 一目散に「グラン・ブーケ」 にたどり着く。

フランスが110年間秘蔵してきたというこの絵は 今回の展覧会開催に合わせて 三菱一号館美術館が 新規収蔵したのだという。

入り口付近は混んでいたので 巨大な絵の前では人に遮られて見えないだろうと予想していたが 思いのほか人が少なく 近くに寄ったり離れたり。
ポスターから想像していた色とは異なり 照明を落としている所為か かなりやわらかな色彩で (クレパスと言う事もあってか) 威圧感がなく心地よいひと時を楽しめた。

P1040269                              162・9×248・3  (リーフレットから)

ルドンが 何故 あの目玉のような絵を描いたのか 歴史的な背景や解説を良く見れば解るのだろうが もともとそういう絵の見方をしないので 皆目理解できないで通り過ぎてきた。

風子にとって 絵は 「理屈ではなく 美しいものが好き」 なので
有名な絵であっても 感心はするが 心が病んでくるものは興味がなく 美術評論も無視してしまう。

15分も掛からず 美術館を出た。

有楽町に向かうと 東京フォーラムで「骨董市」 が開かれていた。
近場での骨董市はよく通ったけれど 「丸の内」という場所では初めてで どんなものかと覗いてみた。
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広いスペースなので 人をかき分けて覗かなくてもいいのだが コルセットが邪魔をして こごむ事も商品に近づいてみる事も 侭ならない。

思わず 古裂に目が行って手が伸びてしまうが 「そうだ、掛け軸はもう創れないのだから ・・・・」と出した手を引っ込める。

真冬に戻ったような冷たい風が 曇天のビルの間を吹き抜けていく。

久々の都会の風。

有楽町線の階段を 此処で踏み外したらまた骨折・・・、と手すりに捕まって重い足を運ぶ。
池袋の手前になって 「人身事故のため 池袋線はただ今運行しておりません」 とアナウンス。
「あ~~、JRで新宿に回ればよかった・・・」 と後悔先に立たずで 動くまでデパートでうろうろ時間を過ごして やっとの思いで帰って来た。

二ヶ月のブランクは大きく 足腰の筋肉もすっかり萎えて 駅を降りた時はもう歩けなくなって タクシーのお世話になった。

「また明日から 少しずつお散歩開始!」 と思った矢先 今朝から雨。
またまた 気力が萎えて 年寄り気分になっている。

華やかなグラン・ブーケ はどこかへ行ってしまった~~。

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